幼稚園、保育園に通っているうちは、先生が常にそばにいて、生活の援助をしてくれます。ですが小学校に入ると、そうはいかないこともしばしば。
登下校中や休み時間など、子ども達が自分自身で行動する場面がたくさんありますよね。
そんなとき必要になるのが、生きるために必要な「生活力」です。生活力は突然身につくものではなく、日々の積み重ねによって育まれます。
特に2、3歳になると「自分で!」という気持ちが芽生え、子どもは自ら生活力を身につける意欲を見せてくれます。つまり幼児期から子どもの生活力を鍛えることが、子どもにとっても自然で大切なことなのです。
子どもが楽しみながら、自然と「生活力」を鍛えられる教材には、どんなものがあるのでしょうか。
目次
生活力が身につく幼児教材
食育
「好き嫌いのない子に育ってほしい」
「美しい食事マナーを覚えさせたい」
など、食べることに関しての親の願いはたくさんあります。ですが、好きこそものの上手なれ。幼児期、特に0~2歳のうちは、まず「食べることが楽しい、嬉しい」という気持ちを育むことが何よりも大切です。
3~6歳頃になると、マナーや食べ方、食具の使い方などを知らせていきますが、食事が好きな子どもほど、マナーや食べ方もきれいになる傾向があるそうです。
『おいしいおと』/三宮 麻由子
子どもが楽しく食事をするヒントになる絵本に、『おいしいおと』があります。
食べ物の“おいしいおと”、つまりオノマトペを文章にした絵本なのですが、そのオノマトペがとってもリアル!例えばほうれん草を食べる時の音は、「ズック、ズック、ズック…」。
苦手な食材や初めての食材にも、「これはどんな音がするかな?」と楽しみながら食事をすることで、楽しい食卓になるのではないでしょうか。
また、美しい絵も食欲を掻き立てます。絵の食材をつまんで食べ合うやり取りにも繋がりますね。
ウッディプッデ はじめてのおままごと めん料理セット
大人になってからのことを考えると、気になるのがお箸の持ち方。正しいお箸の持ち方は、教えてもらわないと分からないことですよね。
ですが食事の時間に、お箸の持ち方について注意してばかりでは、楽しい食事の時間が台無しになってしまいます。
『ウッディプッディ はじめてのおままごと めん料理セット』では、遊びの中で自然とお箸を使って遊ぶことができます。子どもの大好きな麺料理が複数種類作れて、かつ食材も多いので、おままごととしても活躍しますよ。
親子で楽しく遊ぶ中で「こうやって持ったら、大人みたいね」と、正しい持ち方を促してみると、子どもも意欲的に取り組めそうです。
カレンダー
小学校に入ると、曜日の感覚や「あと何日で○○の日」など、生活における数的な感覚が必要となってきます。
繰り返すうちに身につくものですが、入学以前からいつも見えるところにカレンダーがあることで、自然とその感覚は育まれるでしょう。
キャラクターカレンダー
子どもの目線が自然とカレンダーに向くように、好きなものが描かれたカレンダーは効果的です。1、2歳の時はキャラクターを指さして、「これなーに?」のやりとりをすることで、その存在を気付かせるのがおすすめです。
4、5歳になってきたら、幼稚園や保育園の行事、家族の誕生日などを書き込んでみると、カレンダーを見る習慣に繋がります。
人気の絵本「だるまちゃん」シリーズのカレンダーは、だるまちゃんを引っ張ることができ、仕掛け付きでかわいらしいですよ。
日めくりカレンダー
自分でめくっていく日めくりカレンダーもおすすめです。数字や曜日の順番、曜日が循環していることにも、自然と気が付くでしょう。
朝の楽しい習慣として取り入れることで、目で見るだけでなく、手指を使った活動になり、より効果的です。
学研の日めくりカレンダーは、ホワイトボードマーカーで書き込めたり、子どもの顔写真を入れられたりと、楽しい仕掛けがいっぱいです。
季節の行事
日本ならではの文化を知る、という点においても、季節の行事を感じることはとても大切ですよね。
同時に子どもたちにとって、行事は非日常体験。その体験に刺激を受け、イメージを膨らませたり、遊びの中で再現したりすることも、子どもの育ちの中で重要です。
お風呂シート
季節の行事や四季、その季節の草花などが描かれたカラフルなお風呂シートで、季節の中にある行事の存在を知ることができます。子どもにとっては、目に見えるものすべてが刺激的です。
お風呂で常に目に入ることで、意識しなくとも、子どもは吸収していきます。
『おなかのなかにおにがいる』/小沢 孝子 (著), 西村 達馬 (イラスト)
子どもにとって良くも悪くも印象的なのが、節分です。
豆を投げたり、鬼が出てきたりと、活動自体に意識がいってしまいがちですが、「自分のなかにいるダメな部分(鬼)を、豆を食べることで追い出そう」という習慣もあります。
その習慣を分かりやすく表現してくれている一冊が、『おなかのなかにおにがいる』です。
「お腹の中の、泣き虫鬼をやっつけよう!」などの言葉かけで、一つ成長するきっかけを与えてくれる絵本でもあります。
衣服の着脱
「自分で!」という主張が、最も分かりやすく表現される着脱。
1歳くらいになると、子ども自身が着脱しやすい洋服、帽子、靴を準備することが最も大切です。また、同時に「手」「足」「顔」などの認識も、大人の声掛けで理解していきます。
『おててがでたよ』/林 明子
子どもが体のパーツを認識していきながら、着脱を豊かに表現している絵本に、『おててがでたよ』があります。やさしく温かなタッチで人気の、林明子さんの有名な絵本です。
すっぽりと洋服を被った小さな子どもが、「あんよはどこかな?」等の問いかけで足などを出していきます。言葉のリズムもよく、親子でのやりとりを楽しめる絵本です。
絵本での楽しいやりとりの延長として、衣服の着脱に挑戦していくと良いですね。ちなみにこの絵本の言葉遣いは、1、2歳向けです。
着せ替え人形
お着替えに興味を持ち、大人と一緒にやってみようとし始めたら、着せ替え人形がおすすめです。子どもは再現遊びのなかで学習したことを確かめたり、再認識していきます。
お人形は、その相手役としてあると良いですよ。
始めは小さなパーツの少ない、メルちゃん人形がおすすめです。リカちゃん人形は、4歳以上で手指がある程度巧みに使えるようになってからが良いかと思います。
誤飲にもつながりますので、購入の際には対象年齢をしっかりと確認して下さいね。
交通安全
登下校中など、交通安全ルールを身につけることは、自分の身を守るために必要なことです。乗り物が好きな子どもも多いですよね。
「あれなーに?」と子ども自身が興味を示すこともあるかと思います。
『しんごうきピコリ』/ザ・キャビンカンパニー
「赤は止まれ」「青は進め」。
子どもが最初に覚える交通ルールを、おもしろおかしく表現している絵本が、『しんごうきピコリ』です。3色だけでなく、他の色に変身して、車を驚かせるピコリの愉快なお話の中で、交通ルールを学べます。
また、色の認識を獲得するにもうってつけの一冊です。
トミカ・プラレール
トミカやプラレールは、子ども達に人気のおもちゃです。
実際に組み立てることで構造理解能力が高まると同時に、大人と遊ぶことで「一旦停止します」「信号が青になりました」など、自然とやりとりが生まれるおもちゃでもあります。
プラスチック製のものではなく、木の線路や電車も、知育玩具ブランドから販売されています。自動で動くものに抵抗がある方は、こちらがおすすめです。
排泄・トイトレ
トイレトレーニングは、育児の中でも大きな出来事の一つ。始めるきっかけが掴めず、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、焦る必要な全くありませんが、早くパンツにしたいのも本音ですよね。
『おむつのなか、みせてみせて!』/ヒド・ファン・ヘネヒテン (著), 松永 りえ (翻訳)
まずは子どもに、トイレで排泄をするということを知らせていきましょう。ここでは、「おむつのなか、みせてみせて!」という仕掛けのある楽しい絵本を紹介します。
ネズミくんが動物たちに「おむつの中を見せて!」と言って見せてもらう、仕掛け絵本です。ポップな絵柄で、動物ごとの便の形の違いが表現されています。
最後には「うんちはトイレでするんだよ」と、シンプルですが子どもにとっては大切なメッセージが込められています。
トイレのご褒美シール
トイレで排泄することは分かっていても、「トイレ行きたくない」「トイレに座るのが怖い」という子どももいます。そんなときに活躍するのが、ご褒美シールです。
大好きなキャラクターや動物、乗り物、お花など、好きなシールと台紙を準備してあげて下さい。トイレに座ったらシール1枚、排泄できたら2枚、もしくは特別なキラキラシールなど、子どものやる気を引き出せるアイデアです。
こどもちゃれんじ
幼児向けの通信教材を利用してみるのもおすすめです。通信教材は月齢、年齢に合った内容の教材が、定期的に自宅に届きます。
こどもちゃれんじは他社の幼児教材と違い、排泄などの生活習慣も身につけられる内容になっているのが嬉しいですね。毎月目新しい教材が届くため、子どもが飽きることもありません。
また、学習習慣も身につけることができるので、一石二鳥です。2,000円程度あれば始められますし、自分で幼児教材を揃えるのが大変なのであれば、検討する価値は十分にあるかと思います。
生活力が身につく幼児教材まとめ
「生活力をつけさせなくちゃ」と必死になってしまいますが、一番理想的なのは、子どもが自ら進んで「やってみたい!」と思って繰り返すことです。
そのやってみたい気持ちを引き出し、持続させ、繰り返すために、絵本や教材があります。
また、子どもは大人とのコミュニケーションの中で多くのことを学び、再現したり、遊びの中で自分のスキルとして獲得していきます。
今回紹介した幼児教材を使って、ぜひ親子で楽しく「生活力」を身につけていって下さいね。